前回の[開封レビュー記事]では、LAOWA Aksen 45mm f/2.8 1-5x Ultra Macro APOと、マクロフォーカシングレール「Leofoto MP200S」の開封の様子をお届けしました。

今回はいよいよ実写編です。
実際に花を被写体にマクロ撮影を行い、フォーカススタッキング(複数枚の写真を合成して被写界深度を拡張する手法)にも挑戦してみました。
第一に、撮影していてめちゃくちゃ楽しかったです。
拡大して見えるだけで感動が凄まじく、液晶モニター越しに見える景色に笑みがこぼれっぱなしでした(笑)
ただやはり「手持ちは難しい」と言ったところで、倍率を上げれば上げるほど、ピント合わせと光量確保という2つの壁にぶつかることになりました。
撮影環境・機材構成
- カメラ:Sony α7 V
- レンズ:LAOWA Aksen 45mm f/2.8 1-5x Ultra Macro APO
- マクロフォーカシングレール:Leofoto MP200S(三脚固定)
- 光源:照明・ストロボなし、窓際の自然光のみ
- 撮影時間帯:13時〜16時頃
- スタッキングソフト:Affinity Photo(無料)
今回の被写体は、こちらのお花です。

この花を、「手持ち撮影」と「三脚+マクロフォーカシングレール」を使った撮影の両方で撮り比べてみました。
作例①|手持ち
まず試したのが、レールを使わない手持ち撮影です。
カメラの設定は次の通り
- 連写モード30枚/1秒
- 電子シャッター
- マニュアルモードでSS、F値、ISO固定

まだまだ慣れていなということもあり、荒いというか合成で少し歪んで見えます。
手持ちでは1カット1カットの構図やピント位置に微妙なブレが生じてしまい、スタッキング時に位置合わせのズレとして現れやすくなるからだと思われます。
ただ、今後外で撮影するとなると手持ちも練習しておいた方が良いと思います。
作例②|三脚+マクロフォーカシングレール

こちらは手持ちの写真と枚数もほぼ同じ条件なのですが、安定感が増したような気がします。
レールを使うと、カメラの移動量を機械的に一定に保てるため、スタッキングの合成精度が安定するためだと思います。



ピント合わせの壁:フォーカスピーキングの限界
Sony α7 Vにはフォーカスピーキング機能があり、ピントが合っている箇所の輪郭を色付けして表示してくれます。
倍率2倍くらいまでは、このピーキングが問題なく機能してくれました。
画面上で色が付いた部分を頼りに、ある程度感覚的にピントの山を掴むことができます。
ところが、倍率が2倍を超え始めたところから、ピーキングの表示自体が出ないか、出たとしてもごく一部にしか表示されない状態でした。
高倍率になるほど被写界深度が極端に薄くなるため、ピーキングが検出できるほど明確な輪郭のコントラストが画面上に現れにくくなっているのだと思われます。
そこで役に立ったのが、やはりマクロフォーカシングレールです。
ピーキング表示に頼るのではなく、レールのハンドルを回してカメラを微小量ずつ前後に動かし、機械的・定量的に位置をずらしながら撮影する方法になります。
目で「ピントが合っている」と判断するのではなく、「このくらいの距離ずつ動かせば被写界深度をカバーできるはず」という前提のもと、スタッキング用のカット数を確保していくイメージです。
光量との戦い
もうひとつ、倍率を上げるにつれて痛感したのが光量不足です。
このレンズは絞りをf/2.8まで開けますが、高倍率マクロ撮影では実効F値(実際にレンズを通過する光量に基づくF値)が公称の絞り値よりも大きくなる、といった現象が知られています。
倍率が上がるほど、同じ絞り値・同じ光源でもファインダー上は暗くなります。
今回は照明やストロボを使わず、窓際から差し込む自然光のみで撮影しました。
時間帯は13時〜16時頃。
日中でまだ光量が十分にある時間帯を選んだつもりでしたが、それでも倍率が上がるにつれてシャッタースピードを落とさざるを得ない場面がありました。
フォーカススタッキングは1カットごとにわずかにカメラ位置を動かしながら連続して撮影するため、シャッタースピードが遅くなるほど手ブレ・被写体ブレのリスクも増します。
三脚に固定してはいるものの、花びらのようなごく僅かな揺れにも敏感に反応してしまう倍率域では、光量不足がそのままカット全体の歩留まりに直結する印象でした。
次回は人工光源を試してみたいです。
まとめ
今回、Aksen 1-5xで初めての高倍率マクロ撮影&フォーカススタッキングに挑戦してみて、見えてきた気づきは主に3つです。
- フォーカスピーキングは倍率2倍程度まで。それ以上は表示が機能しなくなり、目視でのピント合わせが難しくなる
- だからこそマクロフォーカシングレールで定量的にカメラを動かす撮影方法が必須になる
- 倍率を上げるほど光量不足が顕著になり、時間帯・光源の位置・シャッタースピードの調整がシビアに求められる
開封時点では「フィルターが付けられない」「無限遠が撮れない」といった仕様上の割り切りに戸惑いましたが、実際に撮ってみると、その割り切りの先に「専用機材(レール)と丁寧な光のコントロールを前提とした、超高倍率マクロ専用ツール」という明確な設計思想が見えてきました。
次回は人工光源を使った撮影にも挑戦し、光量不足の壁をどこまで克服できるか試してみたいと思います。
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